東京老舗和菓子店の『池袋 三原堂』様の包装材に粛粲寶の絵柄です!! その2
その1からの続きとなります。
その1をまだご覧になっていない方は、そちらの方からお読み下さいネ。
「妹背」と云う今は販売していないお菓子に粛粲寶の絵と、富安風生に詠んで貰った句が使われています。句の字は風生ですね。
現在は池袋三原堂では、お菓子の栞にこの絵を使っています。
「妹背」とは、夫婦、夫婦の仲。兄と妹、姉と弟。
また、「妹」は男性が妻や恋人の事を親しんで呼ぶ言葉で、「背」は女性が夫や恋人の事を親しんで呼ぶ言葉なのだそうです。
富安風生は昭和54年(1979)に没しておりますので、それ以前に発売されたお菓子なのだと思われます。
富安風生は生前、豊島区池袋に住んでいたそうです。まさに池袋三原堂様とはご近所同士だったのですね。
粛粲寶は富安風生とコラボして句画集をいくつか出版しておりますので、とても親しい間柄だったのでしょう。
こちらも今は販売されていない「信濃路」というお菓子のものです。
同じく絵は粛粲寶、句と句の字は富安風生となります。
きっとクルミ入りのお菓子だったのでしょうね。
もう1点も今は無いお菓子の「三多福餅(みたふくもち)」の絵も粛粲寶です。
「三多(さんた)」とは、「多福、多寿、多男子」の事を云い、中国人が昔から追い求めてきた理想のことを指します。これを実物で表したものが「三多図(さんたず)」で、仏手柑・桃・石榴の3つで組み合わせていることが多いのです。
仏手柑の「仏」は神仏を意味し、中国語の「福」の発音と近いこともあって幸福の意味が込められています。仏の手は財宝を握ることができると云われており、財宝があることは福があることなのだそうです。ゆえに仏手柑は福を祈り吉を招く吉祥物となったとのことです。
桃は多寿の象徴となります。その理由としては西王母の持つ蟠桃(ばんとう)を食べると不老長寿になれるという伝説がある為、桃は長寿の象徴とされているそうです。
石榴は見ての通り多子の果物で、多子多孫を象徴し、人口が増えることを意味しています。
現在、NSG美術館で展示中のものにも「三多福(さんたふく)」という画題の絵があります。
「仏手柑」って本当にあるの??って思いませんか?
変な形をしていますよね。確かに指が何本もあるようで、ちょっとグロテスクな感じすらします。しかも仏の手の柑橘類というネーミングが凄いですよね。
冬の果物で食べるというよりは飾り物として使われているようです。
日本でも地方によっては、お正月飾りに使うらしいですよ。
ちょっと本物を手に入れてみたいな~と思いましたが、結構いいお値段なのです。取り扱いのあるお花屋さんや栽培者から直接ネットで買うといった感じのようです。
「三多福餅」の栞の裏側も粛粲寶の書です。
云い廻しがやっぱり粛粲寶!!という感じがして、ニンマリとしてしまいました。
風味がよく、日持ちがしない、そしてちょっとだけお値段が高め。
いい材料を使った自慢のお菓子だったのでしょうね。
粛粲寶ギャラリーのような池袋三原堂に皆さんも是非お出掛けになってみて下さいネ。
NSG美術館のリーフレットも置いて戴いております◎
池袋三原堂の社長様、貴重な資料をお送り下さいまして有難うございました。
池袋三原堂 http://www.ik-miharado.shop-site.jp/
西荻窪三原堂様の包装材に関してはこのブログ内、2016年9月28日に書かせて戴きました◎