2017/03/29
粛粲寶の翫止水(がんしすい)
先日はユニークな白澤を紹介させて頂きましたが
今回は鳥(丹頂鶴)をモチーフにした作品です
画題は「翫止水」(がんしすい)
粛粲寶の作品には文字が絵と一体となって
レイアウトされているものが多いのですが
この作品には鶴の頭部の周りに中国の大詩人
白居易(白楽天)作の同名の漢詩が
独特な書体で描きこまれています
「活発な人は流水を楽しむが静けさを好む者は止水を楽しむ」
「流れる水は様々な恩恵や利益をもたらすが己を知るには
止水(池など)のほとりが最適である」
そんな書き出しで始まる白居易の詩は止水の清らかさや静かに
万物を映し込む水面の景色を愛で、静寂の中で自分を見つめる事の
大切さを伝えています
「翫」には本来(もてあそぶ)(めでる)(あじわう)などの
意味があります。「止水の趣を深く味わう」というのが
「翫止水」の意味するところでしょうか
少し難しい話が続いてしまいましたが、どうですこの丹頂鶴の絵!
そのままキャラクターにでもできそうな存在感でしょう
粛粲寶は多くの鶴を描いていますが
私はこの「翫止水」の丹頂鶴が一番好きです。
ありがとうございました。