新潟の老舗和菓子屋の里仙様本店には粛粲寶の絵が飾られています!
新潟には里仙様という老舗お菓子屋さんがあり、デパートや駅ビルにも出店しています。
新潟市内にお住まいの方ならば、ほとんどの方が知っているようなそんな有名店なのであります。里仙様は最中と冬場限定の栗かんが特に有名ですよね。
里仙様の御菓子は幼少の頃より、父の新潟出張土産として本当に頻繁に食しておりました。(いや、栗かんをおねだりしていました)
しかし、まさかそのお菓子の掛け紙に使われていた(現在も使われております)のが、粛粲寶の絵だったなんて知る由はありませんでした。
里仙様と粛粲寶が親しかったのかどうか、どういった経緯で掛け紙の絵を描いて貰ったのかは、現当主様もよくわからないとのことでした。
いずれにしても現当主様のお爺様・お婆様の里仙初代の時の事だそうです。
現当主様のお話からだと、お婆様が粛粲寶の絵をお好きだったようですよ。
実は私はそのお婆様に生前会った事があるのです。お顔までは記憶しておりませんが・・・38年前のことですよ。一緒にタクシー乗ったことがあるのです。人とのご縁って面白いですよね!!
NSG美術館では、里仙様から頂戴した掛け紙3種を写真撮りしてパネルにして美術館の玄関ホールに置いてあります。
お客様から、
「里仙さんの本店にも粛粲寶の果物の絵が飾ってありますよね!」と云われました。
本店には未だ伺ったことがないことを恥じましたねぇ、、、
(古町13番町って、ほとんど私の行動エリアではなくって。。。と、一応は言い訳)
で、丁度お菓子を買いたい用向きがあったので、その本店に出掛けて参りました。
車だと美術館からは10分程度です。
店内の左に事務所兼応接のような部屋があり、粛粲寶の絵がそこに飾ってありましたよ!!華やかないい絵でしょう!!
図々しい私は、写真撮らせて下さい!と。。。ガラスに写り込んでしまうのは仕方がないですね(;^ω^)
林檎と薔薇の絵。
林檎だけの絵は美術館も所蔵しております。(まだ展示した事はありませんが)
薔薇の絵もネット上では見たことがありました。でもこの組み合わせは珍しいですね。
他にも粛粲寶の絵をお持ちだと伺いました。
さてさて、折角ですので社長様へ私からのお礼(?)です。
この絵の画賛を読んで差し上げますね~~
花果同時
これはこの絵の画題ですね。
同時とは、時を同じくすること。
花と果物が一緒の時を過ごしている、、、ような感じでしょうか。
此両者 同出而異名 同謂之 玄之又玄 衆妙之門
老子「読老子」第一章より
此の両者、同じきに出て名を異にす。同じく之れを玄の又玄、衆妙の門と謂う。
「この両者は全く異なるものに見えるが、源をたどれば同じ所にあり、それぞれ別の名がついているだけなのです。」
あっ、確かに林檎もバラ科の植物でしたよね!!
そうか、そうか、、、と自分で納得してしまいましたよ。
粛粲寶の絵は画賛も含めて鑑賞しないと、本当の意味では味わえていないのです。
画賛の意味がわかって、この画題にこの漢詩をチョイスした画家の意図を感じることが出来るのです。
でも残念ながら私もその元になった漢詩等をみつけ出せていないものもございます。。。
見つけられても、意訳が書いていない資料だと、なかなか意味までわからないものもあるのです。
この絵には年齢表記がありませんので、75歳以前に描かれた絵だということが分かります。
粛粲寶は75歳(かぞえ)を機に絵に年齢表記をしています。だから無いのはそれ以前という訳です。
里仙の社長様、有難うございました。またお菓子を買いに伺いますね!
里仙様のHP
里仙様の掛け紙について書いたブログ
http://www.nsg-artmuseum.jp/87/