歌舞伎座英語版プログラムに粛粲寶の絵が使われていました その5
いよいよ歌舞伎座英語版プログラム記事も最終回となりました。
KABUKI PROGRAM 1964年12月(Season’s Flavor)
お題は「旬の味」といったところでしょうね。
カブと赤カブ。赤いのはラディッシュです。
50年も前にラディッシュが。。。
今では誰でも知ってはいるけれど、50年経った今でも何処のスーパーでもいつも置いてある野菜ではありませんし、あまり家庭では購入しない野菜だと思います。
私も年に1度、店頭に新鮮なものがたまたまあれば買うくらいでしょうか。。。
カブは何といっても糠漬けが最高ですよね。
ここ数年、糠漬けを家でやるようになったのですよ。
糠みそ女房、、、(むふふ)
【画賛】
草廬また草廬の暮の何くれと 風生句題
「廬」は「いおり」「リョ」「ロ」と読みます。
「くさいおり」「そうりょ」「そうろ」と、どう読むのかがわかりませんでした。
意味は「庵」と同じです。
【サイン】粛
広告は表参道の志むら工芸さんです。
このお店は知っていましたよ。
外国人向きの美術品や工芸品を扱っていたように思います。
キリスト教徒の方にはクリスマスプレゼントって重要みたいですものね。
1人で凄い数のプレゼントを準備するようですが、日本人はせいぜい恋人に1個とか、我が子の数分だけとかですよね~
日本ぽく提灯でしょうか?そこにMERRY CHRISTMASっていい感じですよね。
提灯の赤い丸には、かすかな筆あとがついていて、筆で一気に描いたのがわかります。
LANTERN & FOLK ARTS
で、「提灯と民芸」となります。
FOLKはフォークソングのフォークで、スプーンとフォークの方ではありませんよ。こちらのスペルはFORKとなります。
クリスマスデコレーションとして提灯をお勧めしていたのかしら?
私は小学生の時、原宿で絵を習っていましたので、原宿がまだブームになる前の静かで、それでいてお洒落なお店がちょこちょこと点在していた頃を記憶しております。あの竹下通りに極普通にお肉屋さんもあって、コロッケなんかも売っていましたっけ(^^;)
広告には銀座店が帝国ホテル内のアーケードにあると書いてありますので、歌舞伎座のお客様は帝国ホテルのお店にどうぞって感じなのでしょうね。
志むら工芸を調べてみると、今は表参道では出てきませんでした。また帝国ホテル内でも出てきませんでしたが、そこから近い当たりで出てきたので、そこでまだ営業しているのかと思われます。
KABUKI PROGRAM 1965年1月(First sunrise)
1月号らしく、まさに初日の出ですね。
山の向こうに初日の出。鶴が飛び、手前の山にはお寺が描かれています。
こんな感じの粛粲寶の絵をいくつか観たことがあります。
なんといっても粛粲寶の鶴は魅力的です◎
【画賛】
かけ流す軸の躍りて初日出づ 風生句題
富安風生の句です。
多分、正月用の掛け軸を掛け替えてみると、そこに初日の出があがったみたいな意味でしょうか?
確かに我が父も年末になると新春用の初日の出の掛け軸にいつの間にか掛け替えています。そういう事をする日本人がだんだんと少なくなりましたね。
旗日(祝日)に家の門に日の丸を掲げる家も滅多に見なくなりました。子供の頃にそういう事を教えられて育ちましたが、今ではその父ですらやらなくなって久しいです。。。
【サイン】粛
先月号と同じく志むら工芸さんの広告ですが、日の丸の提灯の線が真っ直ぐで、粛粲寶がデザインしたものなのかはわかりかねます。
それにしても、鶴の絵と日の丸の提灯が素晴らしい対比で、こんな素敵な冊子が50年以上前のものだなんてびっくりですね。
全11冊。
中山青空子様より頂戴致しました、ほんとうにほんとうに貴重な貴重な資料です。
「他の号の粛粲寶のものを手元に保管していますよ!」なんて凄い情報がございましたら是非お知らせ下さいね◎