茨城での「生誕120年 粛粲寶の世界」その①
NSG美術館の所蔵作家である粛粲寶。
今年は生誕120年となります。
生きていれば120歳。。。と云う訳です。
さて弊館でも年明けの1月~3月に〈生誕120周年記念〉粛粲寶展 を予定しています。
折角の記念すべき年の粛粲寶展示ですので、通常とは少し違う仕掛けを考えております。
その為にも茨城まで行って参りました。
粛粲寶絡みでの私の茨城入りはこれで何度目だろう?
う~~ん、10回迄は届いていないけれど、限りなく近い辺りなのだと思います。
粛粲寶の終焉の地であり、唯一のお弟子さんである中山正男氏が住まう茨城県境町。
私は埼玉県の東武動物公園駅から1時間に1~2本しか無いローカルバスに揺られて利根川を渡り、茨城県に入ります。
その境町には中山正男氏の経営する時計店とその近くに2年前に粛粲寶美術館 S-Galleryが出来ました。境町に隣接する坂東市に坂東郷土館ミューズが在り、そこでは過去2度粛粲寶の大きな展覧会を開催しており、今回の120周年記念で3度目となります。
長くいらっしゃる職員の方と私は既に顔なじみなのであります。
看板に使用した童子が桃の籠を持っている絵。
これは中山正男様が初めて粛粲寶に描いて貰った軸装の絵だとの事です。
今回ビックリした絵はこの「長女誕生」で、昭和13年との事。粛粲寶には5人のお子さんがおりますが、第1子は女の子だとの事で、絵に描かれた長女はまだご在命で、女子美を出て絵手紙の先生をなさっているとの事です。
克明に描かれた着物や布団、毛布の絵柄が華やかで、父になった喜びや怖れを感じます。
「幸松進上図」は、粛粲寶が初めて境町の中山宅(幸松屋時計眼鏡店)を訪れた際のお土産として描かれた作品だとの事です。童子が松を持っている絵なのですが、その後の訪問時には、松が少しづく成長したものを描いて持参して下さったとの事です。
ユーモアとセンス、愛情を感じます。
12月25日まで。現在展示替え後の後期展示となります。
坂東市はほぼ車が無いと辿り着けないかも。。。
それでもご興味のある方は是非お出掛けされてみて下さい。
その②に続く。。。