粛粲寶と棟方志功
NSG美術館が常設展示をしている粛粲寶(しゅくさんぽう)の名前を聞くのは初めてでも、棟方 志功(むなかた しこう)は聞いたことがあるでしょう??
棟方 志功(1903-1975)日本を代表する板画家ですよね。あの丸メガネの特徴あるお顔までわかる方も結構いることでしょう。
板画と書きましたが誤植ではありませんよww
「いたが」ではなく「はんが」と読むのです。
何故なら、棟方自身が「版画」を「板画」と称したのですから。
1969年には青森市から初代名誉市民賞を授与され、翌1970年には文化勲章を受章しています。
まさに日本の棟方!! いえ・・・世界的な巨匠の棟方なのであります。
生まれも粛粲寶が1902年、棟方が1903年ですからホント同世代です。但し没年は粛粲寶が1994年、棟方が1975年ですので、棟方の没後、粛粲寶は20年近くも生きたことになります。
棟方が少年時代に将来絵描きになる(ゴッホになる)と公言したことは有名なのですが、粛粲寶も小学校5年生の時に画家になると心に決めたそうです。
日本画と板画との違いはありますが、ちょっと粛粲寶と棟方の作風には共通点を感じるので、ファン層も似ていたのでしょうね。(棟方は肉筆画でも高い評価を得ています)
一報、粛粲寶も俳句仲間とのコラボ等での版画を発表しています。
粛粲寶の観音様の絵は、取り合いになる程売れたそうですが、棟方の代表作にも観音様の板画がありますよね。
互いに影響し合い、切磋琢磨していったのでしょうね。
そんな世界の棟方と同時代を共に駆け抜けた粛粲寶の作品を是非観にいらして下さいネ!
圧倒されますよ!!
今回は、いくつか所有する観音様の内、「十一面観音」を展示しております。
十一面観音って、その名の通り11個顔があるって思いますよね!
でも、調べてみると本体の顔以外に10または11の顔を持つ菩薩のことなんだそうで、この絵は本体1+10の顔ですね~~
福々しくって、ホッと癒されますよね~~
仏画と云っても辛気臭くない!!
むしろかわいいっ!!・・・って思いませんか!?