NSG美術館は、2015年9月、NSGグループの新潟総合学院が前所有者であった新潟市が実施したプロボーザル方式の入札により取得致しました。
その際、會津八一記念館として長く市民の皆さまに愛されてきたこの建物の歴史的価値を認め、耐震補強を施し、著しい外観変更を行わないこととなりました。
會津八一記念館は、昭和50年(1975年)に開館し、設計者は長谷川洋一氏(1925ー)です。
長谷川洋一氏は父である建築家の長谷川龍雄氏(1895-1966)の長男として出生しました。龍雄氏は旧第四銀行住吉町支店(現:みなとぴあ)、旧制松本高等学校講堂、三条市水道局大崎浄水場、旧白根市役所(現:北越銀行白根支店)、新潟市公会堂などを設計した著名な建築家です。1961年に父龍雄氏と洋一氏(36歳)で長谷川建築事務所を興しています。
昭和52年発行の會津八一記念館会報に、設計者の思いが綴られています。「會津先生の作品の収集展示のみを行い、それ以外の用途はない」ことを踏まえ、「ふさわしい力強さと格調高くあることを意識し、敷地周辺の自然環境に対して違和感のない様心掛けた」とのことです。「外観の大半を日本古来の漆喰色の感じに近いものとし、軒先の黒、及び軒の出の深さと二階のせり出しにより重厚さと陰影を強調した」とあります。
日本の伝統建築と周辺環境を意識しつつ設計された建築は、モダニズム建築の新潟での受容の一例とみられ、新潟の建築史上、評価の出来る建物として、保存していく価値のあるものと認識しております。
2F 第1展示室(有料展示)
コミュニティルーム
1F 第2展示室